入団一年後を振り返って

澤潟四郎

  この文章は平成15(2003)年1月、合唱に未経験であった私 が川崎市高津区にて活動している高津メンネルコールという男 性アカペラ合唱団に入団して、一年経過したときの感想文です。



 私が高津メンネルコールに入団してから、早いもので、もう 一年も経過してしまいました。この合唱団に入って二つの大き な苦痛を抱えていました。
  一つは練習日にはベース担当の私は決まって一人で不安な日 々を過ごしました。他の三人のベース担当は現役サラリーマン であり、練習場に駆けつけるのが遅かったからです。
  もう一つは、楽譜が全く読めないため、全ての曲は音取りで、 リズムを頭にたたき込むしかありませんでした。もし、楽譜を 音に変換するカワイスコアメーカーというソフトを紹介して頂 いた故和田さんとめぐり合うことが出来なかったなら、今頃は、 さっさと退団してカラオケでも楽しんでいたかもしれません。
  この一年間で団には色々な話題が有りました。
  昨年六月に練習場がポモドーロに移り、気分が落ち着かない 状態でしたが、十二月にはもとの高津市民合唱団の事務所に戻 り、落ち着いて練習できるようになりました。
  四パートのハーモニーを取ろうという考えで、パートリーダ ーがもうけられました。しかし各人各様の事情があり、結局は パート毎の練習が出来ませんでした。
  十一月には新しい団員の目釜さん、春田さん、小池さん(三 名の方は姓を変更してあります)が入団され、これで当団も人 員が補強され、団員こぞって大変な喜びようでした。
  ところが、昨年末のコーラルフェスで、全くハーモニーが取 れない状態となり、団外の人からも「高津メンネルコール、どう したのですか、ピアノ伴奏がないと歌えないようになってしま ったのですか。」と云われるような大恥をかいてしまいました。 二、三の先輩団員が色々と理由を述べ、もう団には魅力がない と云って退団し、団が空中分解しそうな状況になりました。
  しかし、この退団騒ぎを契機として、「雨降って地固まる」 の例えのように、逆に団員の危機意識が芽生え、団結して行く 気構えが生まれてまいりました。

  昨年初めに私の住んでいる自治会で、私は約十名からなるパ ソコン教室推進委員会を立ち上げ、私が会長(通称として校長 先生と呼ばれています)となってパソコン教室を始めました。 五月から十二月まで、毎週水曜日と土曜日の二組に分け、パソ コンの基礎と、ワードを教えました。ワードについて、私は全 くの素人でしたが、ワープロソフト一太郎の知識をバックにワ ードを猛特訓で勉強しました。団地の人たちが所有するパソコ ンの機種はWindows95からWindowsXPまで巾があり、中に 入っているソフトも各種各様でした。そういう機種間で起こる 問題点を機種の異なる手持ちのパソコン四台で把握し、各機種 に対応するテキストを作りました。しかもテキストは初心者で も理解しやすいようにという配慮から、絵入りにする等の工夫 をこらしたため、大変な時間が必要でした。
  このパソコン教室の噂は川崎シニアネットにも広まり、此処 でもパソコンのいろはを教える「いろは塾」の講師も経験致し ました。今年の四月と五月には高津区主宰のパソコン基礎教室 の講師も担当する事になっています。
  パソコン以外の趣味として、私は自家の歴史に興味を持って います。一昨年末、歴史研究会という全国組織に「自家の歴史」 の統計処理についての研究論文を始めて発表しましたところ、 幸いにも掲載されました。ところがこの論文を見た方(石川県 小松市在住)より、是非「加南地方史研究会」に入会して欲し いという、丁重なる手紙が舞い込みました。石川県小松市界隈 は私の大先祖の出身地でも有りましたので、この会に入会する 事に致しました。昨年三月に、小松まで出かけ、ここで又新た な人との出会いがあり、またその人の紹介で大阪に本拠のある   「家系研究会」に入会するはめになりました。
  その後、歴史研究会には四ヶ月に1度のペースで投稿してお り、それらがいずれも掲載される状況になりました。投稿した 文について、「家系研究会」のメンバーからの手紙が舞い込み、 ここでも新たな人と巡り合う経験を致しました。
  この他に、信頼性に関する有料の公開セミナーを大阪で開い ており、これに関連した通信教育も行っています。
  以上紹介致しましたように、昨年はそれは猫の手も借りたい ような大変多忙な一年でした。今振り返りますと、良くやった と「自分を褒めてやりたい」心境です。

  さて話をもとに戻し、この度、私はLINKの編集をする羽目に なり、創刊号から昨年の六号まで、ずっと目を通しています。 その中に、「合唱というのは石垣のようなものです。個々の団 員が色々な形をした石です。団員には個性がありますが、其れ が調和してすばらしいハーモニーになります。」というのが有 りました。まさにそうだと思います。しかし、私は苦しさだけ が先行し、いまだハーモニーのすばらしさを実感していません。

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