戦争中の小学校三年の時代、私はたくましかった

稗原団地自治会のボランティア活動を通じ、平成18年末より稗原小学校の下校時にパトロール を実施しています。「おかえりなさい」と声をかけますと、「ただいま」と可愛らしい返事が返 ってきます。小学生一年生は実に可愛らしい。学年が上がるに従って、だんだんとたくましくは なってきますが、小学生六年生でもあどけない仕草をします。
 「澤潟四郎の生い立ち」で述べたとおり、私の小学校三年生の時代は、米軍の空襲をくぐり 抜けながらの生活でした。今思いますと、その当時必死に戦火を避けて、たくましい一年間であ ったというイメージが残っています。しかし、今七十歳を超えてしまったこの時期に、稗原小学 校の入学式、運動会、卒業式、下校時のパトロールなどで、子共達と接していますと、私が小学校三年生 の時代はこんなにあどけなかったとはどうも思えません。その原因は自分を振り返るとき、時間 の進みが非常に緩やかだと錯覚して、小学校三年生の時代を今の三年生達よりませた時代としてとらえてい るようです。となりますと、私の小学校三年生の時代の大人達は皆、私のことをあどけなく、可愛らしいと して見ていたのだろうと思います。そしてB29の空爆や艦載機の射撃に機敏に対応する私を見て、 幼い子供達を守らねばならないと大人達を奮い立たせたに違いないでしょう。

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